スタンプカードを活用した顧客ロイヤルティ
このブログ記事では、スタンプカードを利用した顧客ロイヤリティプログラムの効果について解説しています。顧客のリピート率を高め、長期的な顧客関係を築くための戦略として、スタンプカードの活用法や成功事例を紹介。小売業からサービス業まで幅広い業種に役立つ内容です。
読者の皆さんの中にも、ロイヤルカスタマーという言葉を聞いたことがある方も多いと思います。近年、顧客ロイヤルティ(Customer Loyalty)は、『お客様に質の高い商品・サービスを提供することに優れている』と言われてきた日本だけに限らず、世界中で更に注目される一つでもあります。
質の高いサービスや商品を提供し、お客様に満足してもらい続けることで、店舗への信頼感が生まれ、継続的に優良な関係性を維持し、そして、口コミで第三者に広めてくれる
そのような店舗の熱狂的なファンをロイヤルカスタマーと定義します。
顧客ロイヤルティプログラムとは?
顧客ロイヤルティプログラムとは、頻繁に(一定期間・一定回数を含む)商品を購入してくれる、サービスを利用してくれる優良顧客に、企業側が提供する報酬システムのことを指します。財布の中にある紙のカード類やオンライン上に関わらず、継続的に購入・利用を続けることにより何らかのメリットを得られるというのが特徴です。
お気に入りのカフェやアイスショップのスタンプカードや、ホテルや航空会社が提供するランクアップ制の特典など、様々な業種・業態がこういったプログラムを導入し、顧客満足度や集客、リピート率の向上に努めています。
つまり、顧客に長い期間魅了され続けもらうことで、「LTV(顧客生涯価値)の最大化」を図る目的と言えます。
すぐに使える戦略
スタンプカードやポイントカードを発行し、沢山のお客様に配ったにも関わらず、使ってくれない』そんな悩みをもった店舗の方も多いと思います。
アメリカの名門大学 USC、UCLA ビジネススクールの教授であるJoseph NunesとXavier Drèzeの研究によれば、スタンプカードをお客様に与える際、【ヘッドスタート(有利なスタート)】が効果的になってくると述べられました。研究では、ランダムに集められた300人を二つのグループに分け、それぞれに8つのスタンプを集めると、無料で洗車が受けられるスタンプカードが配布されました。グループ1は真っさらな状態のもの、グループ2は、ヘッドスタートとして既に2つスタンプが押してあるものが配布されました。特典内容や、特典までのスタンプ数は変わらないのにも関わらず、ヘッドスタートを与えられたグループ2のゴール達成率は、グループ1に比べ 15%も高くなる結果となりました。利用者の心理として、0の状態から始めるよりも、スタート地点が進んでいることよって、ゴールまでの道のりが簡単に思え、やる気を促進することが出来ます。
顧客ロイヤルティプログラムを実行する際に意識すべき3つの点
① 明確なゴールを提示する
重要な点の1つ目として、顧客が興味をそそられ、ゴールまでの道のりが明確で実行可能だと思える、また、ゴールを達成する価値が十分にあると思える特典内容を定める必要があります。お店から貰ったスタンプカードの特典を取得するまで長すぎて使うことをやめたり、スタンプの回数と特典内容が比例しておらず、捨ててしまった経験はありませんか?ゴールまでの道のりが不透明で、現実味がなければ、顧客はすぐに興味を失ってしまいます。また、私たちは普段から無意識に「特典を得るまでに使う合計額」と「特典から得る満足感」を天秤にかけます。この天秤の傾き方によっても、ロイヤルティプログラムの利用の有無が判断されるので、慎重に定める必要があります。
② 飽きさせないプログラム
飲食店や美容サロンだけに限らず、今では様々な事業者がスタンプカードやランクアップ制会員証を発行し、お客様の再来店に努めています。しかし、多くのプログラムがどれも似たような工程になっており、お客様の興味が薄れてきてしまっているのが現状です。従来からの『ただスタンプを集めて特典と交換』というプログラムでは、面白みを感じてもらえず、お客様を飽きさせてしまう可能性があります。この解決策として重要になってくるのが、ゲーミフィケーションです。
普段からゲームをされる方はお分かりだと思いますが、スマホのゲームアプリは、いかに利用者に『継続的に課金してもらうか』に重点を置いています。定期的に期間限定イベントを開催したり、その日しか手に入らないアイテムを売ったりと、様々な手法を駆使して継続的利用を促しています。これは、顧客ロイヤルティプログラムにも実装することが可能な戦略です。
顧客が取る「アクション」に関連させてポイント付与数やグレードを変更したり、顧客が訪れる「タイム」によって特典内容を変えたり、顧客の「セグメント」で違ったプログラムを提供したり、こういった創造的なアプローチを行うことで、顧客を飽きさせることなくゲーム感覚でロイヤルティプログラムを楽しんでもらうことが出来ます。
ゲーミフィケーション − 遊びや競争などの人が楽しんでプレイできるゲーム的な要素や考え方をゲーム以外の分野に応用し、顧客やユーザーとの関係構築に利用しようとする取り組み。
③ 特典だけではなく進歩を楽しんでもらう
先ほど述べた研究の中で、彼らは「人為的な前進が顕著な効果を持つには、顧客がランクアップをする明確な理由がある場合にのみに有効だ」ということを発見しました。つまり、理由なしにポイントを渡したり、ランクアップしてあげるだけでは、人為的な前進は戦略として機能しません。
「なぜシルバー会員からゴールド会員に転換した方が良いのか」「スタンプカードを完了させた後も継続的にお店に足を運ぶメリットは何か」このような前進する理由を明確にし、お客様に提示してあげることで、継続的なモチベーションを生み出すきっかけになります。
スタンプカード ?ポイントカード?どっちにするべき?
スタンプカードを活用した顧客ロイヤリティプログラムは、頻繁に短期間でリピート購入が見込まれるお店に適しています。例えば、カフェ、ファーストフード店、ベーカリー、美容室などが挙げられます。これらの業種では顧客が短い間隔で何度も来店するため、スタンプカードを通じてリピーターを増やすことが可能です。
一方で、ポイントカードを活用した顧客ロイヤリティプログラムは、比較的高額な商品やサービスを提供するお店で効果的です。例えば、家電量販店、アパレルショップ、家具店などが該当します。これらの店舗では顧客が大きな買い物をする際にポイントを貯めることができ、次回の購入時にポイントを使用して割引を受けることができます。これにより、高価格帯の商品の購入を促進させることができます。
スタンプカード・ポイントカードは、リピーターのお客さまを獲得する目的または既存のお客様の満足度向上のための販売促進ツールとして活用されています。お客様に対して、「スタンプを全部ためれば特別な特典が貰える!」というふうに、ショップへの来店動機の一つにしてもらうのが一番大きな狙いです。活用方法や特典にもよりますが、何度も通うことで特典やサービスが受けられるので、ファン心理が働き、お客さまの満足度を高めていくことができるということです。
スタンプカードの種類
スタンプカード・ポイントカードといっても様々な種類がありますよね。紙やプラスチック、自社アプリを活用しているお店もあります。実際にお店などで使われているカードの種類別の特徴をご紹介していきます。
紙やプラスチックの主な3つの特徴
- 自由にデザインを決められるのでおしゃれに作成できる
- 配布しやすい
- チラシとしての広告媒体になる
こちらは従来から長く愛されているので、実際に持っている方も多いと思います。名刺サイズや二つ折りのカード、プラスチックなど様々なタイプのものがあります。費用は、1000枚発行するとして用紙などのコストも含め約2~4万円程度となり、制作から納品までは2~10日程度かかります。
アプリの主な3つの特徴
- 告知やリマインドとして使える通知機能
- 失くしたり、忘れることがない
- 機能をカスタマイズできる
紙やプラスチック、アプリのスタンプカード・ポイントカードをご紹介してきましたが、これらの方法はメリットだけではありません。例えば、紙やプラスチックのスタンプカードでは、お客様の財布に入れていると嵩張ったり、忘れたり失くす可能性があります。お店側も物理カードなので管理しなくてはいけません。
また、アプリの場合は、そもそもお客様がアプリをインストールしてくれません。インストールしたとしてもすぐにデリートしてします。さらに、自由にカスタマイズできたとしても費用が高くなります。
スマホに保存できるデジタルスタンプカード
非接触かつアプリをインストールする必要のないKINCHAKUのデジタルスタンプカードをご紹介します。
ウオレットパス型スタンプカードの特徴
- お客様が独自のアプリを毎回インストールする必要がない
- スマホ1台で運用できる
- 通知を送ることができる(iOS対応)
KINCHAKUが提供するスタンプカードは、スマホの標準アプリであるApple WalletやGoogle Walletに保存することができます。お客様はアプリをインストールする必要がなく利用ハードルが低くなっているのがポイントです。
実際にKINCHAKUのデジタルカードを導入している店舗がどんな使い方をしているのかご紹介します!
引換券付きスタンプカードで、集客と継続利用の効果を期待できます。今までに一度はギフトカードやクーポン券を利用したことあると思いますが、紙の場合だと1回利用したら再利用することはできません。集客としては効果があるかもしれないのですが、継続的に利用していただくきっかけにはなりません。しかし、KINCHAKUのデジタルカードでは一度利用したデジタル引換券を新たにスタンプカードに切り替え継続的に利用していただくためのきっかけを作ることができます。
利用する際、まずは商品やサービスをデジタル引換券またはギフトカードとしてお客さまに配布し来店を促します。来店の際にデジタルカードをスキャンしたら自動的にスタンプカードに切り替えることにより一度来店したお客さまにもう一度来店してもらう動機付けになります。さらに、初回利用時にスタンプを1つ付与すれば「無料で利用できてポイントも貯まる」から1回で二つのお得を感じることができます!
どのタイプのスタンプ・ポイントカードに共通することですが、お客さまに「また来店してスタンプを押してもらいたい!」と思ってもらうためには、デザインや利便性だけではいけません。無理なく達成できるスタンプ数や魅力的な特典を提供することもとても重要になります。他の店舗に流れてしまわないように、来て頂いたお客さまに『最高のサービス+少しの動機付け』を提供して、リピーターへと繋げていきましょう。